
**この記事は私が19年の音楽制作経験に基づいて、初心者の方の失敗を減らすために執筆しました**
▼このサイトはアフィリエイト広告を含みます。(クリック/タップで詳細を表示できます)
PRO.Sound Designは複数の企業と提携しており、各商品等のアフリエイト広告を含みます。当サイトを経由し、商品の申込みや購入があった場合、各企業から報酬を受け取る場合がございます。また、当サイトで紹介する商品やサービスはPRO.Sound Designの編集担当が独自の基準で評価・判断し、掲載しておりますことをご了承ください。
▼本サイトの製品価格表示について。(クリック/タップで詳細を表示できます)
本記事内の製品価格につきましては、購入を検討される方が比較しやすいよう、主要な販売先である「サウンドハウス」と「楽天市場」の販売価格を表内に掲載しています。また表内の価格表示に関しましては定期的に確認しておりますがご覧いただくタイミングによっては変動している場合がありますので予めご了承ください。加えてーカー公式サイト等から引用している価格については、メーカー希望小売価格(定価)を掲載しているため、記事内の表に記載している販売価格と一致しない場合がございます。最終的な内容については各販売ページにてご確認ください。
楽曲を製作・演奏する際、特に軽音楽やポップスの分野では「バックビートを意識した方が良い」と言われることがあるのではないでしょうか。
バックビートは「2・4拍目を強拍」とするリズムの取り方、または、グルーブの考え方です。皆さんが悩んでいるのは恐らくですが....「理屈は知っているし、ほとんどのポップスやロックは元々バックビートが基盤なんだからこれ以上何を意識すればいいの?」ということではないでしょうか?
ここで「そうなんだよ!」と思った方は是非、本記事を最後までご覧ください!
確かに、理論上は日本のポップスやロックも、ほとんどはバックビートに当てはまります。ですが、正確には楽曲以外の要素から「100%のバックビートを感じられていない」のです。
では、何が理由なのかを、先ずはバックビートの成り立ちから考え、どのように習得すればいいかを徹底解説します!
それでは早速本編に入ります!
バックビートのルーツ
バックビートの成り立ちは諸説ありますが、筆者が個人的に面白いなと感じているのは、ケンブリッジ大学から出ているドラムの専門書の内容です。
その専門書から、オンビートからバックビートが主体になった推移を要約するとこの様な感じになります。
①:起源は「ゴスペルだった!?」
昔、労働が過酷だった際に、労働者は歌を歌ったりすることでストレスを和らげていました。その際に歌いながら木を割るために振り下ろしていた斧がバックビートの拍の位置だったことからこの概念がスタートし、徐々に教会で歌われていたゴスペルなどで手を叩くリズムもこのバックビートになっていきましたが、この時はまだひっそりとした存在でした。
②:ドラムセットの普及
当時主流だった音楽は、まだまだマーチ等の音楽でした、オーケストラや吹奏楽を見ると分かりますが、こういった楽曲を演奏する際はバスドラム・スネア・ハイハット・シンバル等など...がバラバラに配置されていますよね!それがドラムセットとして、現代のポップスで使うような形になった際、バスドラムは「1・3拍目は足で」「2・4拍目は手で」叩くという言語化が進んでいくと、だんだん一般的にも普及するようになります。
③:隠し味からの一般化
一般的に普及したとは言え、まだまだバックビートは音楽的に野暮だと言われていました。ジャズなどの分野で「ここぞ」という時に音楽を面白くするための「隠し味」として使われていましたが、ここから音楽はどんどん派生し、ついに「R&B」というジャンルが生まれます。この「R&B」は当時野暮だと言われていたバックビートを全面的に使用した革新的な1手ではありましたが、当時の若者から「踊りやすい」と評価され次第に広がっていき、最終的には「ロックンロール」と呼ばれるジャンルで取り入れられ、その「ロックンロール」が世界的にヒット、それを貴重とした大衆音楽の「ポップス」が普及することによって現代では一般化されました。
このルーツから考えるに、皆さんの思っている通り現代の楽曲の「リズム」の部分は理論上ほとんどがバックビートの曲というわけですね!
では、冒頭で記載した「音楽以外の部分」とは何?ということですが、それは「言語」によるリズムの取り方の違いです。
次の章から、洋楽と日本語にはどの様なリズムの違いがあるかを説明し、さらには「洋楽で良いと言われている歌詞」と「日本のポップスで良いと言われている歌詞」の違いやその成り立ちから、最終的にはどの様にバックビートを習得するかを考えていきましょう!
違いは言語の仕組みにあった?
洋楽では、ほとんどの場合「英語」が使われることになりますよね!この英語の「文章上の単語のアクセントの位置」の仕組みが、日本のポップスでは100%バックビートを感じることが出来ない大きな理由です。
因みに....
何故単語で比べないのかという点ですが、単語だけで比べてしまうと日本語も英語もその単語ごとにアクセントの位置が違うので、比較検証が出来ないためです。
例えば「あなたは美しい」という文章を比べると以下のような違いが出てきます。
- 日本語:あなたは、うつくしい
- 英語:You're Beautiful
これが面白いところです。
例外はありますが、日本語では多くの場合「1文字1音」であることが多いです。ですが、英語ではリエゾン等の仕組みがあるため「1音1文字」とは限りません。例の文章では「You'reで1音」次の「Beau」の強いアクセントが2拍目に来ていますね!
一応、他の文章でも比べてみましょう!例えば「私たちは今日スタジオで新しいギターを演奏しました」で比べてみます。
- 日本語:わたしたちは、きょう、スタジオで、あたらしい、ギターを、えんそうしました
- 英語:We played a new guitar at the studio today.
こちらも「2・4拍目」が強く出る発音が多く、加えてその裏拍まで強調されている部分もありますね!
もちろん、全ての文章がこの例と同じ様に当てはまるということではないですが、文章内での発音の仕組み上、英語では多くの場合「2・4拍目が自然に強拍」になることが多いのです。比べて、日本語は「1文字1音」の仕組みから「2・4拍目が自然に強拍」になることはあまり多くありません。
つまり、洋楽ではリズムも言葉のアクセントもバックビートに近いことが多いですが、日本語では「リズムはバックビートだけど、歌がオンビート」というチグハグな状況が生まれてしまっている訳です。
加えて、ここからさらに「歌詞の作り方」の違いも合わさることで、その差はもっと大きなものになっていきます。では、洋楽と日本語の歌詞にはどのような違いがあるのか、次の章で確認してみましょう!
洋楽の日本ポップスにおける「歌詞の作り方」の違い
これは海外と日本の「詩の良さ」の捉え方に違いがあります。
日本語の「詩」では、使用されている言葉から、美しい風景や、繊細な心情を想像できる文章が「良い詩」と捉えられています。例えば、学校の授業などで俳句や短歌を作った際、季語を使った情景描写を指摘されたり、苦労したり経験があるのではないでしょうか?
ですが、海外の詩は、和訳してみると「あれ?ありきたりな内容だけど、どこがそんなに評価されているの?」と感じたが1度はあると思います。
実はそこが大きな違いなんです!海外の詩は、比率としてですが、情景描写よりも日常的に感じたありきたりなことを、主に2つの技法に当てはめた文章が、美しい詩として評価されます。その2つとは以下のものです。
- 「Alternate rhyme(交互韻)」
- 「Iambic pentameter(弱強五歩格)」
どういうこと?というのを説明していきます!
Alternate rhyme(交互韻)
Alternate rhyme(交互韻)は以下の様な形で、1文置きに韻を踏んでいく「詩の流れ」の作り方です。
日本的に言えば「5・7・5・7・7」みたいなものですね!実際は以下のような流れで構成されています。
- 1文目【A】:〜〜〜〜〜〜〇〇
- 2文目【B】:〜〜〜〜〜〜△△
- 3文目【A】:〜〜〜〜〜〜〇〇
- 4文目【B】:〜〜〜〜〜〜△△
Iambic pentameter(弱強五歩格)
Iambic pentameter(弱強五歩格)は、詩の流れではなく、その文自体をどう構成するかという「ルール」に近いものです。
日本的な感覚にはあまりないものなのですが、強いて言えば「季語を入れる」のような文章に関するルールです。
実際の内容としては「da-DUM」という弱強のリズムを5回繰り返すというものです。これを、先程説明したAlternate rhyme(交互韻)の流れに沿って、合わせて使うことで、伝統的な詩として評価されます。これら2つの技法を合わせた例文が以下のものです。
- 1文目【A】:The drum will beat and shake the dust a-way
- 2文目【B】:The bass will groove in-side the dark-night groon
- 3文目【A】:We play the mu-sic all through-out the day
- 4文目【B】:And dance to-ge-ther un-der-neath the moon.
日本語訳は「ドラムが鳴り響き、すべての埃を吹き飛ばす。暗い夜の底で、ベースのグルーヴがうねり出す。私たちは一日中、この音楽を奏で続け、そして、月明かりの下で共に踊るのだ」になります。
日本的な感性から見ると「この文章の意味が良い詩?」と思うかもしれませんが、このルールは英米文学史の観点では、はるか昔から使用されている厳格なルールで、日本的に言えば「短歌」そのものの様な美しさの意味合いを持ちます。
着目したいのは、先程の章で挙げた「文章の発音そのものがバックビートになりやすい」ことに加え、この2つのルールを組み合わせるとその特徴が顕著になるということです。また、「da-DUM」という弱強のリズムを使用するIambic pentameter(弱強五歩格)で構成された文章は、日本でいう「桃太郎」などの童謡と同じ様に、小さい頃からシェイクスピアやその他の有名童話によって無意識の内に聞き続けています。
つまり、気づいた時には既にバックビートが身についている状態なんです。ここからさらに、その感性の持ち主が音楽的なバックビートの概念を勉強したり練習したりするわけです。ですので、「リズムはバックビートだけど言葉がオンビート」になっている日本人がバックビートを意識するとでは、同じリズムの概念でも、根本的に違うというわけです。
この厳格な方法が実際の歌詞作りに使用されているわけではないですが、基本的には日本も海外も同じく、美しい詩を作りたい。という考え方は変わりません。その根本には、この様な概念の違いがあるということです。
この詩の構成の概念こそが、理論的には知っているのに、まだ「バックビートを意識して」と言われる悩みのタネの正体です。
バックビートの習得の仕方
バックビートはリズムに関する「概念」つまりは「考え方」ですから、これをやれば絶対に習得できる!というものは実は存在しません。
加えて、例えばドラムがバックビートの概念で完璧に演奏出来たとしても、他のプレイヤーがバックビートの概念を習得できていなければ、それは「不揃いな演奏」に繋がってしまいます。
また、既存のポップスを演奏するときも同じで、そもそも、この「チグハグな状態」で「完成」されている楽曲で、バックバンドのみがバックビートで演奏できても、ボーカルとバックバンドのノリが合わなく「不揃いな演奏」になってしまいます。
1番根本ですが見逃されやすい要素として「演奏は聞く人がどう捉えるか」が大切になります。ですので、既存の曲を演奏する場合は、わざわざバックビートだけに注力しなくても「聞く人が良いと思える」ように他の部分を徹底的に見直すのも大事だと言うことです。
それでも、この楽曲は「どう演奏するか」という選択肢を増やすためにバックビートを意識した演奏ができるようになるのは良いことです。筆者が考える練習方になっていましますが、以下の様なものがあります。
- メトロノーム(クリック)は常に「2・4拍」で捉えて練習する
- バックビートのルーツになった楽曲を沢山聴く
- 映画などを字幕で見るなど、普段から英語の音声に触れる
①と②は併用するのがオススメです。先程も触れましたが、バックビートは科学的な数値がある様なものではありません。ですので、バックビートのルーツとなるような楽曲や、今でもバックビートの概念が大切なブルースなどを、普段から体得できるようにして、練習の際は強拍を「2・4拍」で捉えるようなメトロノームの使い方をすることで感覚的に理解するのが最も有効的な手段だと、筆者は考えています。
③は日常的にバックビートの様なリズム感を養っている英語話者に着目し、英語を普段から使用することによって長期的に体得していくというものです。これは筆者の考えですので、本当に効果が出るかは正直わかりませんが、何となくこうだよね!という科学的に説明できないことは芸術の世界ではまだまだ沢山あります。ですので、やらないよりはやってみた方が、数年後に違いが出なくもないのかな?と思います。
まとめ
本記事では「バックビート」の概念を、そのルーツやどうやって体得するかまでを徹底的に解説してきました!
途中でも記載した通り、バックビートは1人だけが出来ている状態ではアンサンブルの中で「不揃い」と判断されてもおかしくありません。
ですので、実際その考え方を使用する場面や楽曲は、しっかり考え、個人練習のみでなく、団体で取り組むようにしましょう!
音楽では、この様な根本的な「考え方」や「知識」を多く獲得し、知識だけではなくそれを体得することで、演奏の際の選択肢や最終的なクオリティーは格段に変わってきます。
当サイトではその様な「知識」や「考え方」に対する記事も積極的に取り扱っています。根本的な感覚をアップデートするのは根気がいる大変なことではありますが、楽しみながら一歩ずつ頑張っていきましょう!
この記事が面白い、勉強になったという方は商品を検討していなくても音楽の知識を紹介している記事は他にもたくさんありますので是非他の記事も見ていただければと思います!
本記事の内容は、実際の制作・宅録環境での使用経験や、複数の機材・手法を比較した上での判断をもとにまとめています。環境や目的によって最適解は変わる為、あくまで一つの現実的な指針として参考にして下さい。