
**この記事は私が19年の音楽制作経験に基づいて、初心者の方の失敗を減らすために執筆しました**
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音楽を製作や演奏している時に「メトロームを裏拍で取ると良い」という言葉はよく聞きますよね!
皆さん1度は試したことがあるかとは思うのですが、理解は感覚的に「なるほど」と思うだけで、そのメリットを詳しく把握していたり説明できる人はそう多くないのではないでしょうか。
ここで「確かに」と思った方は本記事を最後までご覧ください!
皆さんが感覚的にしか理解できないのは、皆さんのせいではなく「他ジャンルと比較したことが無いから」なんです。
本記事では、ミックス前のデモ音源ではありますが「EDM」と「マーチ」という正反対のジャンルの音源を制作してきました。その音源を比較しながら「リズムを裏拍で取る」とはどういうことなのか、また、リズムを裏拍で取れるようになるメリットは何なのかを徹底解説していきます!
リズムを裏拍で取ることができるようになるのは音楽において「必須」では無いですが、これが分かるようになると、楽曲に対する理解が増え、どの様に演奏・製作するかなどの選択肢を増やすことが出来ます。取れる選択肢が増えれば、クオリティーに差をつけることが出来ますので是非覚えて帰りましょう!
それでは本題に入ります!
裏拍とバックビートを混同しない
まず、第一に説明しなければならないのはこの部分です。
筆者も最近目にしたのですが「裏拍で取る」というのは、ポップスで言う「スネアドラムが鳴る位置でリズムを取ること」と説明している、SNSなどを含む他メディアがちらほらありましたが、それは間違いです。
詳しい話は別記事で行いますが、日本の伝統音楽やクラシックでは「1・3拍目が強拍のオンビート」の楽曲が多いことから、ポップスでスネアドラムが入る「2・4拍目」を裏拍として捉える方が増えてきていると言うことだと考えられます。
この「2・4拍目を強拍として捉える」という考え方は正確には「バックビート」と呼ばれる概念です。ですので、どこに強拍があろうと、皆さんが「1・2・3・4」と数える部分は全て表拍です。
では裏拍とは?というところですが、これは
「1・2・3・4」の「・(点)」の部分にあたります。
ですが、最初から裏拍を感じることは難しいですし、体感的にも分かりやすいため、先ずは「オンビート」と「バックビート」の違いから順に聞いていき、最終的には裏拍でリズムを取るメリットと言うところにつなげていきましょう!
オンビートとバックビート
これはメトロノーム(クリック)を実際に流しながら聞いたほうが体感的に分かりやすですので、先ずは聞いていきましょう!先入観をなくすためと、比較目的として、最初に4カウントが入った普通の音源を聞いていきます。
EDM(クリックなし)
マーチ(クリックなし)
これは皆さんカウントがなくなっても無意識に頭の中で「1・2・3・4」とカウントできたかと思います。では次に4カウントの次に「1・3拍目だけ」を1小節流し、その後も同位置にカウントが入っている「オンビート」を意識した音源を聞いてみましょう。
EDM(1・3強拍):オンビート意識
マーチ(1・3強拍):オンビート意識
これは、皆さんすんなり聞けたのでは無いでしょうか!それは、普段は意識していないとは思いますが、カウントの際に無意識に「1・2・3・4」と「1・3拍目」を少し強めにカウントするクセがついているためです。因みにですが、これは皆さんの音楽的な力が強い・弱いというわけでも無いですし、音楽的に悪いということも全く無いです。ですが、別の「オンビートとバックビートの違い」の記事でも説明しますが、日本人は風習的にオンビートで考えてしまうクセが付くようになっています。
では、次は同じ様に4カウントから「2・4拍目」を1小節鳴らした後に音源が続く「バックビート」を意識した音源を聞いてみましょう!
EDM(2・4強拍):バックビート意識
マーチ(2・4強拍):バックビート意識
少し違和感があったと思いますが、曲のグルーブ(ノリ感)が少し変わって聞こえたのでは無いでしょうか!
先程も記載したように、ではバックビートを意識したほうが音楽的に優れているかというとそうではありません。どっちの考え方でリズムを取ったほうが良いかは、あくまでその曲やジャンル次第といったところになりますので、どちらも意識的に考えられるようにしておきましょう!
それでは「オンビート」と「バックビート」で何が違うかという答えの部分ですが、これは辞典や正確な1次ソースはありませんが、成り立ち等の音楽史な部分から考えると「グルーブ(ノリ感)」を意識した違いになっていると考えられます。
詳細が気になる方は、こちらの記事で説明していますので、合わせてご覧下さい!
『「バックビートを意識する」の誤解。オンビートとの違いと、なぜ意識するのかの答え』
「裏拍で取る」というのとはまた別な役割を持つ概念です。また、どの曲でどちらの概念を使用するかは製作者や指揮者次第になりますので、楽曲に対する理解として、併用できたほうが良いものです。
では、裏拍でリズムを取るメリットって何?と気になってきましたよね!次の章で結論からお話します!
メトロノームを裏拍で取る本当の意味
では、メトロームを裏拍で取れたほうが良い理由ですが、結論から言うと以下の2点です。
- 表拍を正確に感じられる力をつけること
- 裏拍で使用される音符を正確に発音できること
です。では、ここから生まれてくるメリットも合わせて説明します。
全部の音が同時に発音されると音に「説得感」が生まれる
この説得感というのは、具体的には以下の3点です。
- 音がブレンドされ、まとまった音に聴こえる
- 音に分離がなくなり、迫力が増す
- ハーモニーが豊かに聴こえる
それぞれどういうことかを説明していきます。
①と②は共通する部分があるのですが、楽器は基本的には人が演奏していますから、全ての楽器が「全く同じタイミングで発音すること」は不可能です。ですが、PC等で音源を立ち上げ、例えばホルン・トロンボーン・ユーホニアムで「全く同じ音を全く同じタイミングで鳴らした時」音色や演奏の仕方にもよりますが、パッと聴くだけではなんの楽器が使われているか、分からなくなるくらい音が混ざり合い「1本の楽器」とさえ勘違いしてしまうこともあります。
加えて、例えコンマ数秒の違いでも、音がパラパラと聞こえてくると、まとまって聞こえてくるのでは体感音量が全く変わってきます。
③ですが、これも音が「1本の楽器として綺麗に調和した」際、例え「ド」しか吹いていなくても倍音の成分からしっかり「Cメジャーコード」を確認できるくらい豊かな倍音が響きます。
この説明を見ると「楽曲がそんなに豊かになるなら・迫力が出るならそれを目指したい!」と思いますよね。実際それを目指しているんです。
DTMを中心に製作をしている方であれば「え、そんなのクオンタイズで済むじゃん」と思うかも知れませんが、そうではありません。確かに、レコーディングだけで言えば、ルームマイクを無視したライン録りであれば少しは調整できますが、大幅な調整は聞き手に違和感を感じさせることになります。
加えて、実際のライブ、吹奏楽やオーケストラの公演ではその様な修正する手段が手段が存在しません。そのために指揮者がいたり、イヤモニでクリックを聞いたりして、その基準にプレイヤーが合わせることになります。
ですので、豊かな・迫力のある演奏を聞かせるためには、演奏する楽曲にもよりますが「可能な限り全員が同じタイミングで音を鳴らす」ことを意識したいのです。
それを可能にするには「表拍の正確な把握」「裏拍で音符が鳴るタイミングでの正確な演奏」を最低限全員が共有できなければなりません。そのために「メトロノームを裏拍で取る」練習が必要なんです。
では、理由がわかったところで実際にメトロームで裏拍を聴く「感覚」というのはどの様なものかを把握するために、先ほどと同様に4カウントから「1.5・3.5拍目」と「2.5・4.5拍目」だけを1小節間鳴らし、その後楽曲に進む音源を用意しましたので、実際に聞いていただいて感覚を掴み、普段の製作や練習に活かしていただければと思います!
EDM:1.5/3.5拍目のクリック
マーチ:1.5/3.5拍目のクリック
EDM:2.5/4.5拍目のクリック
マーチ:2.5/4.5拍目のクリック
まとめ
本記事では、勘違いされやすい「オンビート」「バックビート」の概念を説明しながら「メトロノームを裏拍で取るべき理由とメリット」を正反対のジャンルであるEDMとマーチの実際の音源を聴きながら徹底的に解説してきました!
本記事を最後まで読んでいただいた方は、裏拍で取るということがどれだけ大切であるかを理解していただけたかと思います。
ですが、これはソロプレイヤー以外の場合は「個人だけ」でできることも重要ですが、バンド全員がこの方法を共有出来なければ最大限に効果を発揮することは出来ません。ですので、楽曲の練習や基礎練習の際にこの方法を取り入れてみて下さい!
この様な技術的では無く、音楽の根本を理解したり習得するのは簡単ではないですし効果も分かりづらいものが多いですが、その積み重ねが最終的なクオリティーに繋がりますので、しっかり習得しておきましょう!
また、本記事で出てきた「オンビート」と「バックビート」の詳しい違いは「なぜ日本人はバックビートを正確に捉えられないのか」というのを題材に、バックビートの成り立ちからその理由までを徹底解説した記事がありますので、そちらも合わせてご覧ください!
「バックビートを意識する」の誤解。オンビートとの違いと、なぜ意識するのかの答え
本サイトでは商品紹介記事だけではなく、こういった音楽の根本的な知識からどう活かすかまでを解説した記事が沢山ありますので、興味がございましたら各カテゴリーや下の関連記事から合わせてご覧下さい!
この記事が面白い、勉強になったという方は商品を検討していなくても音楽の知識を紹介している記事は他にもたくさんありますので是非他の記事も見ていただければと思います!
本記事の内容は、実際の制作・宅録環境での使用経験や、複数の機材・手法を比較した上での判断をもとにまとめています。環境や目的によって最適解は変わる為、あくまで一つの現実的な指針として参考にして下さい。