
**この記事は私が19年の音楽制作経験に基づいて、初心者の方の失敗を減らすために執筆しました**
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導入:ここが最も大事です!
夏のコンクールや秋のアンサンブルコンサートの際、様々な準備や練習で忙しいと思いますが「自分たちの演奏」を録音して聴き直し、どこが悪かったかを把握することは、演奏の改善において最も重要なことですよね!
自分たちの演奏を録音すること自体は多くの学校や演奏団体でも行っていることだと思います。
この際に、ハンディレコーダーやしっかりとした録音機材が整っていれば何も問題は無いのですが、セットに時間がかかったり、そもそもそういった機材がなかったすると、現代ではスマホで自分たちの演奏を録音するということも少なくないと思います。
ですが、そのスマホの録音、実はNGな録音をしているかも知れません!NG録音をしていると「自分たちの本当の演奏がどうだったのか」を正しく聞き取れず、間違った振り返りをしてしまう原因になります。今回は、よくやりがちな致命的なNG行為と、スマホでも劇的に綺麗に録音できる正しい置き方・設定のコツをプロの視点からご紹介します。
この方法でしっかり自分たちの演奏をモニター(聴き)し、コンクールに向けてしっかり練習していきましょう!
それでは早速ですが、本題に入ります!
①:録音するスマホを置く位置
早速ですが、これからお話するいくつかのポイントの中でも、この点が最も大切です。
・録音するスマホを置く位置は、必ず指揮者が立っている位置にしましょう!
・できれば、指揮者の耳の高さまでスマホの高さを上げるのがベスト!
これらは、業界でも守られている鉄則の1つでもあります。
ミックスエンジニアやディレクター、ライブやステージの音響で、音の確認や調整する位置は必ず決まっています。
それは、ステージのほぼ中央で音をモニター(確認)することです。ステージからの距離はその時の会場の大きさや状況によって変わることはありますが、ステージのほぼ中央でモニターすることは基本的には変わりありません。
ですので、そのステージの音響を勉強する際等は特に、PA(音響)卓の近くで聴くというのが昔から変わらない鉄則になっています。
加えて、ミックスエンジニアなどでは左右の広がりや空間の奥行きを正確に把握するために、スピーカーから音が出る部分を「自分の耳の高さにする」というのが決まっています。
吹奏楽の演奏や編成にとって、そのPA卓というのが「指揮者の立ち位置」です。
この位置が「完成された音」を聴くのに一番良い位置ですので、必ずこの位置で録音するようにして下さい。
コンサートホールを借りて、いわゆるホール練習ができる場合は「審査員の座る位置」で録音するのがベストな録音位置です!
②:ボイスメモは絶対NG!
筆者が、アンドロイドやiPhoneの公式の説明を徹底的に調べた際、重要なことが分かりました。先ず1つ目ですが
ボイスメモやアプリでの録音は絶對NG
ということです。
ちょっと詳しい話になりますが、音声データには大きく分けて「モノラル」と「ステレオ」の2種類があります。簡単な説明は以下の表の様な感じです。
- モノラルファイル:全部の楽器が縦1列に並んで演奏している様なデータ
- ステレオファイル:左右の広がりを再現できるデータ
この表を見ると、吹奏楽は横に広い半円形の並びの編成になっていますから「ステレオファイル」で録音できたほうが良いよね、と思った方、大正解です!
基本的にはステレオで録音するのが一番良いですが、ボイスメモは必ず、その他のアプリでは有名なアプリでも複数のアプリで「モノラル録音」しか出来ないことが判明しています。
モノラルは先程説明した通り、全てが縦一列に並んでいるイメージですから、どこからどの様な音がなっていて、なんのパートがだめだったのを正確に把握することは出来ません。
ですので、録音は必ず「カメラアプリ」で行うようにして下さい!
③:スマホの向き
カメラアプリで録音をすれば、ステレオになるのね!ということは理解いただけたかと思いますが、まだ待って下さい!
スマホのマイクが搭載されている位置や仕様から、以下の2点が必須であることが分かりました。
①:カメラアプリを開いたら必ず「横向き」
②:外カメラを自分たちの方に向ける
①の具体的な説明ですが、確かにカメラアプリを立ち上げた時点でステレオ録音になるのは確かですが、縦動画の録音だと、マイクの位置が上下になってしまい「モノラルと実質的に変わらない」状態になっています。
スマホを横向きにした時点で、マイクが上下録音から「左右録音」に変わる様になっています。これは基本的に「スマホの初期設定から指定や変更を行うことは出来ない」仕様の様です。
指揮者の位置で録音をしても左右の広がりが無い点から「自分たちの演奏を正確に聴く」ことは不可能です。ですので、必ず「カメラアプリ・横向き」で録音するようにして下さい。
②の説明ですが、実はスマホには目視は出来ませんが、背面の外カメラの下辺りに見えない隠しマイクが搭載されています。これはアンドロイドやiPhoneに関わらずほとんどのスマホで同じ仕様です。
この背面マイクが演奏と逆向き、もしくは机に付いてしまっている状態だと、余分な振動を拾ってしまったり、実際の演奏より音が「こもって聞こえてしまう」ため、これも正確な演奏ではなくなってしまいます。
ですので、自分たちの演奏をより正確に版代したい場合は、必ず
①:録音する位置は指揮者の位置(審査員の位置)
②:録音はカメラアプリで
③:動画は横向きで
④:外カメラは自分たちに向ける
この4点は必ず守ってみて下さい!
この4点が変わるだけで、自分たちの演奏をより正確に聞けるようになりますので、練習の反省点を見つけるという意味では、他校よりも格段によくなります。
小さなことかも知れませんが「正確なモニター」というのは音楽業界でも最も大切なことと言っても過言ではありませんので、改善していきましょう!
この4点を解決するための便利グッズ
とは言っても、中々このポイントを抑えて録音するのは難しいかなと考えた方もいらっしゃると思いますが、実はそうでもありません。
このポイントを抑えながら簡単に録音できる方法があります!
①:スマホ用三脚を使う!
100均、もしくは300円均一のお店では、しばしば「スマホ用三脚」が販売されているのを確認できました。
それを使用し、指揮者の前、もしくは後ろに机などを置き、その上にスマホを立てる形で録音することで簡単に解決できます。
②:スマホクリップを使う!
こちらも100均や300円均一ショップで販売されていますね!
スマホクリップにスマホを横向きでセットし、指揮者の譜面台に挟む等で簡単に解決することが出来ます!
できればやった方が良いこと①:音量の確認
いざ録音をしたデータを確認した際に「音割れ」が起きていたら、ちょっとがっかりしますし「正確なモニター」に影響が出てきますよね!
そうならないために、先ずは「音割れせずに録音できるか」を1回「試し録音」をして確認しましょう!
その際に、どう録音すれば「試し録音の正解」なのかという点を2点伝授します!
①:合奏前の全体チューニングの様子を録音する
全体チューニングの際には、管楽器全員が音を出しますから、かなり大きい音量感になっているはずです。
先ずはこの点で確認して見ましょう!
②:演奏する楽曲で最も音量が出る部分を30秒程録音する
実際の曲を演奏する際は打楽器等も参加しますので、チューニングよりも大きい音量が出ることになります。
特に、ティンパニーやクラッシュシンバルなども参加しているセクションがあれば、そこで実際に録音してみて、音割れを確認するのが最もいい方法です!
可能であれば、①よりも②で確認するほうが正確ではありますので、合奏前の「仮合わせ」として1度録音してみて、休憩時間に確認、最後の通しでしっかり録音というのが一番良い方法かも知れません。
できればやった方が良いこと②:消音
これも、「正確なモニター」には重要なことなのですが、少し手間がかかりますので、可能であれば行いましょう!
音は実は「波」なので、壁や床などに反射することによって「余分に増幅」されます。正直この部分はプロになっても悩まされるポイントの1つです。
ですので、プロは正確なモニターを行うために防音材や様々な工夫で最大限部屋の壁などからの音の反射を防ぎ、部屋自体が各周波数帯ができる限り均一に鳴るように工夫しています。
音楽室の天井は、基本的にこの「吸音機能」が備わっていますが、壁、「特に床」からの反射には注意が必要です。
特に、低音部分は強い振動を起こすだけでなく、倍音成分の強調、高音は反射が激しいと「耳に痛い音」の成分が増幅されてしまう等「正確なモニター」という点には大きな支障をきたします。
先程のスマホ用三脚を使用するという点では、机に厚めのタオル等をひくことが簡単な対策の1つですが、可能であれば、各椅子と椅子の間の床にタオルをひくことで、格段に良くなります。
これは良いと言っても、毎回行うのは大変ですので、ある程度演奏が固まってきて「ここの時期やこのタイミングでは絶対に一度正確に自分たちの演奏を確認しておきたい」と言う様な「ここぞ」という時には行ってみても良いかも知れません!
まとめ
本記事では自分たちの演奏を「スマホで最も良く録音する方法」について解説しました!
途中にも記載しましたが、プロの世界でも、しっかりしたモニター(聴く)をすることは、何よりも優先させる最重要事項です。
せっかく録音したものが、逆に「自分たちの演奏の質を下げない」様に、先ずは4つのポイントをしっかり行ってみて下さい。これだけでも確認の質は十分に上がり、自分たちの演奏の反省をするという点では他校や他の演奏団体と差をつけることが出来ます!
これはあくまで「スマホ単体で録音する場合」の話なので、ハンディレコーダー等のしっかりした機材があればもちろんその機材で録音するのが最も効果的です!
部費の使用用途などを相談できる場合は、プロも御用達のマイクメーカーであるShure等から、スマホに接続できるマイクも2万円台で販売されているのでそちらを検討するのもおすすめです。
「できればやったことが良いこと」は、本当に「ここぞ」というタイミングで行うようにするのが最も効果的です。これらは準備に時間がかかりますから、本来であれば、その時間分練習するというのが上達への近道になりますので「いざ」というタイミングのみ試してみて下さい!
本記事の内容をしっかり理解して、反省会に活かしていきましょう!
本サイトでは、本記事の様な音楽や音の「基本的な性質」に基づいた、コンクールだけでなく普段の演奏時から意識したいことを徹底的に解説した記事が多数ありますので、以下のリンクからご覧いただければ幸いです!
・強豪校との差はココにある。表現力を劇的に変える『強弱記号の逆算思考』とエネルギーマネジメント
・なぜあのバンドは響くのか?吹奏楽の自由曲を「ホールの残響」と「倍音」から選ぶ新常識
・度数の数え方で迷わない!メジャースケールから学ぶインターバルの基本と実践的な覚え方!【楽譜を読む編③-1:メジャースケール編】
・【脱・丸暗記】コードの「数字」がわかる!ローマ数字と度数の違いをプロが徹底解説
・「何度合わせても合わない」は卒業。吹奏楽の和音が劇的にハモる“倍音”の魔法と物理的解決策
この記事が面白い、勉強になったという方は商品を検討していなくても音楽の知識を紹介している記事は他にもたくさんありますので是非他の記事も見ていただければと思います!
本記事の内容は、実際の制作・宅録環境での使用経験や、複数の機材・手法を比較した上での判断をもとにまとめています。環境や目的によって最適解は変わる為、あくまで一つの現実的な指針として参考にして下さい。