
**この記事は私が19年の音楽制作経験に基づいて、初心者の方の失敗を減らすために執筆しました**
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ギターやベースを練習する際、特にギターを中心に言われていることですが「エフェクターは繋がないでクリーンで練習した方が良い」と聞いたことがあるのではないでしょうか?この話題は昔からずっとあるもので現代でも尽きない話題の1つです。
これに関して面白い意見が様々あるのですが、初心者の方からすると「結局どっちで練習した方が上達するの?」という悩みのタネの1つですよね!ですので、本記事ではこの話題にズバッと結論を出し「本当に上達する練習方法」をご紹介したいと思います!
ここで「え?本当に結論が出せるの?」と疑問に思った方は是非最後までご覧ください!
筆者は、作・編曲やミックスを専門分野としていますが、デモ音源制作のために自分でギターやベースを演奏することも多くあります。その中で、さまざまな音色を扱い、自分の演奏をシビアに録音・検証してきたからこそ、この話題に対して一つ確信を持っていることがあります。
先に少しだけ結論をチラ見せすると、実は「クリーンだけで練習する」のも「歪を使った練習だけ」をするのも、どちらも良くないと思っています。
何故「だけ」が良くないのかに加えて、本当に上達するエフェクターを使用する練習方法は何なのかを解説していきます!気になっている方も多いと思いますので、それでは早速本題に入っていきましょう!
究極の練習方法:エフェクター編
先程少し記載しましたが、結論は「エフェクターは使用した方が良い場合と、使用しないほうが良い場合」があります。この章ではエフェクターを使った方が良い場合について解説していきます。
エフェクターを使った方が良い場合とは「楽曲の練習」もしくは「楽曲中で使用する奏法の練習」をする時です。詳しくは個別に解説していきますが、一番大きい問題が出るのは「歪エフェクター」を使用した時です。
例えば、邦楽のロック系のジャンルを演奏する時は「余韻が少ないタイトなブリッジミュート」が求められますが、洋楽ではブリッジミュートは必ずしもタイトの方が良いとは限りません。「ルーズなブリッジミュート」の方が良い場合も多いです。この様な余韻の管理が必要な際は「クリーンのみ」の練習をしていると実際の質感を確認できないため、エフェクターを使用した練習の方が効果的です。
また、歪エフェクターは「ノイズが乗りやすい」という点や「他弦ミュートが甘いと押さえていない意図しない音」が鳴ることがあります。加えてエフェクターの機種によってはピッキングによる強弱のダイナミクスに大きな違いが出てきます。この点は全て「歪エフェクター」を使用していないと確認できないことです。
他にも普段から「楽曲の練習」もしくは「楽曲中で使用する奏法の練習」に繋いでおいた方が良いエフェクターはいくつかありますので、個々で確認していきましょう!
普段から繋いでおいた方が良いエフェクター
先ずは普段から繋いでおいた方が良いと感じたエフェクターを以下のボックスにまとめておきましたので、確認していきましょう。
- 普段使っている歪エフェクター
- ワウ
- ディレイ
- リバーブ
- コンプレッサー
この5種類です。では、なぜこれらは使った方が良いのかを1つづつ個別に解説していきます!
①:普段使っている歪エフェクター
ここで重要なのは「普段使っている」と言う点です。新しいものを購入する必要はありません。
先程も記載しましたので、歪に関しては少し内容が被ってしまうのですが「ブリッジミュートのタイトさ」や「他弦ミュートの管理」等は歪エフェクターを通していないと正確な確認をすることは難しいです。またゲインが高くないと使用できない「ピッキングハーモニクス」等も歪エフェクターが無ければ練習できません。
加えて「普段使用している」と記載したのは、機種によってピッキングに対する強弱のダイナミクスの追従が違うからです。例えば、BossのメタルゾーンとIbanezのTS808では同じくらいの強さで演奏したとしても質感が変わってくるということです。この質感が違うと、特にブルースやジャズなどのシビアなアクセントを求められるようなジャンルでは力加減が全然変わってしまうため、普段から使用している歪エフェクターで練習するのが一番の上達方法です。
②:ワウ
正確にはフットペダル型のワウのことを指します。オートワウは設定したBPMと音符の長さによって勝手にワウをかけてくれるため、この限りではありません。
ワウも意外と見落としがちではありますが、シビアな操作が求められます。拍に対して正確な操作をするのか、それとも拍に対してルーズな操作をするのかによって楽曲の雰囲気を大きく変えることになるためです。
また、ワウには「半ワウ」という最後まで踏み込まずに中途半端なところで止めることによって「音色」を調整するという技もあります。この様な操作が必要な場合はエフェクターを使用していないと正確な確認ができないため、エフェクターを使用した練習が効果的と言うことになります。
③:ディレイ
空間を調整するために、リバーブの補助としてディレイを使用する場合は、練習の際に使用していなくても問題はありませんが、よく邦楽のロックなどで使われている「付点8分音符のディレイ」など、効果音的に使用する場合はエフェクターを使用した練習をする方が良いと筆者は考えています。
ディレイは演奏した音を「やまびこ」してくれるエフェクターですので、同じ8分音符でも「音価を忠実に演奏するのか」それとも「スタッカート気味に演奏するのか」ではやまびこで反射してくる音の長さも当然変わります。音価は楽曲の雰囲気を大きく左右しますから、そのニュアンスを揃える為にもエフェクターを使用した練習が効果的です。
④:リバーブ
これは意外と見落としがちな部分なのですが、例えばリバーブを深くかけた時「余韻」は長く残りますよね。その際に、楽曲の顔である「ボーカル」の余韻の長さより、ギターやベースの余韻の長さの方が長ければ聴く側にとっては大きな違和感になります。
また、ピアノでも起こることですが、余韻が強く残ったまま次のコードを演奏してしまうと、直前に演奏した音と、新しく演奏された音が混ざり、不協和音に聞こえてしまうこともあります。
こう言った違和感は最終的に「そのバンドの演奏の良し悪し」として判断されることになりかねませんので、その余韻をどう管理するかを追求するためにも、普段設定しているリバーブの深さで「余韻」の管理を練習することも大切です。
⑤:コンプレッサー
コンプレッサーは演奏の「最低音量と最高音量」を設定するエフェクターです。その差が狭い程「音量を一定に保つ」ことができます。
例えば、ファンクやソウルなどのカッティングを多く使用する場合、コンプを強くかけているプレイヤーは多いと思いますが、音量の圧縮から生まれるタイトさはエフェクターを通してでしか確認できません。クリーンの際にタイトなブラッシングやゴーストノートが出来ていると感じても、コンプの深さや「アタックタイム・リリースタイム」の設定次第では余韻が残り、意外とルーズな演奏と感じてしまうことがあります。
ですので、主にカッティングやタイトなミュートが求められる演奏を練習する際はコンプをかけたままにして練習する方がより実践的な練習を行うことができます。
この様に個々で確認していくと「エフェクターを使用しない練習」をする意味があるのか?と疑問になってきますよね!ですが、エフェクターを使用しない練習も同じように大切です。
では、どのような場合「エフェクターを使用しない練習」が効果的になるのかを次の章で確認していきましょう!
究極の練習方法:クリーントーン編
クリーントーンで練習した方が良い場面は主に「連符の練習」や「基礎練習」になります。なぜこれらの練習はクリーントーンで行った方が良いかを、先程の様に個々で解説していきます!
①:連符の練習
実は連符の練習で見落とされやすい所があります。それは「それぞれの音がしっかり発音できているか」もしくは「ピッキングできているか」です。
歪エフェクターを使っている場合、ハンマリングやプリングでの演奏が比較的簡単にできてしまいますし、音のかっこ良さから、流れで適当に早い音符を演奏しても、楽器のことを知らない聞き手側の方は「おお!なんかすごいことしていてかっこいい!」と感じてくれます。ですが、しっかり楽器を練習したり音楽を研究している人からすると「なんか雑な演奏だな」と感じることが多いです。
つまり、あまり上手く演奏できていない演奏を「音色で誤魔化す」ことが出来てしまいます。特にスイープや弦移動がある連符の場合でこういったことが多くあります。
この点を解消し「本当に上手な演奏」にするためには、歪むエフェクターを使用せず「音の粒は揃っているか」「リズムがヨレているところは無いか」「音がつぶれている部分が無いか」などを遅いテンポからインテンポ(実際のテンポ)まで、しっかり確認することが大切です。
②:基礎練習
ここも勘違いをしやすい部分の1つです。基礎練習の目的は「曲を演奏できるようにするため」ではなく「演奏のクオリティーを底上げする」ために行うものです。基礎練習をしたから指が回るようになって、その楽曲やフレーズが演奏できるようになったと感じるのは「結果的にそうなった」だけで、フレーズや楽曲を演奏するだけであれば、その部分を重点的に練習だけで演奏できるようになります。
ギターやベースの基礎練習で重要な点は、以下の表の様な内容です。
- テンポの拍(縦のライン)に合わせて演奏できているか
- 効率的な運指で演奏できているかどうか
- フレットの縁を押さえて、綺麗に発音できているかどうか
- フレットや弦移動があった際に、音がビビったり潰れたりしないかどうか
- ピッキングと音の移動のタイミングが合っているかどうか
- ハンマリングやプリングをした際に、ピッキングした音との音量差が出ないかどうか
- 決めた強弱をしっかり演奏できるかどうか
挙げたらきりがないですが主に重要なのはこういった部分です。こういった部分は特に歪エフェクターとコンプレッサーを併用すると誤魔化せてしまう部分です。
こういった、楽曲の練習以外で「自身のスキルや楽曲の演奏クオリティーを底上げする」様な要素のある基礎練習などはエフェクターを使用しない方が、より効果的な練習が可能になります。
究極の練習方法:クリーンとエフェクターの「確かめ算」
今までの章で「どのような場合にエフェクターをするかしないか」は理解いただけたかと思いますが、大切なのは、お互いを利用して「確かめ算」をすることです。
エフェクターを使用して楽曲は演奏できるようになったけど、クリーントーンで聴いた時に詰めが甘い部分が無いか。逆に、クリーントーンで基礎を練習してある程度できるようになったけど、実際を想定してエフェクターを通してみた際に詰めの甘い部分が無いか。を確認し、少しでも違和感を感じたら再度その部分を練習する必要があります。
確認方法は録音をして客観的な判断をすることが一番効果的です。DAWを持っている方はクリックのトラックと楽曲のトラックなどを様々準備し、合わせて録音してみた音源を聞いてみる。DAWを持っていない方はPCなどで必要な音源を鳴らし、スマホで録音して確認するなど「演奏中の自分がどう聞こえるか」ではなく「聞いている側がどう聞こえるか」を基準に、演奏の良し悪しを判断していきましょう!
まとめ
本記事では「練習をする際はエフェクターを使用するか、クリーントーンで練習するか」という長年議論のある話題を、初心者の方が迷わないために「どっちか」ではなく「場合分け」で練習するという考え方を解説してきました!
この「練習でエフェクターを使用するか」に限らず、音楽では中級者や上級者になってくると様々な情報を集められる現代では、様々な場面でその方の経験してきたことから「どっちかに偏った意見」が出回ることがあります。
ここで大切なのは「どっちがすごいか」ではなく「どの意見が音楽のどの部分に関わってくるか」という根本から場合分けをして、より適性のある場面や状況を見つけ出すことです。ですが、何がどのように音楽的に活きてくるかと言う点は「その練習や機材の目的」や「ジャンルや技法のルーツ」に加え「楽典・理論的」な部分など根本をたどるにしても多くの知識を必要とします。
それを独学で勉強するのはかなり大変なことですが、当サイトではこのような「根本」に関わる部分を扱う記事も積極的に扱い、興味深い内容になる様に心がけていますので、是非楽しく勉強していってください!
この記事が面白い、勉強になったという方は商品を検討していなくても音楽の知識を紹介している記事は他にもたくさんありますので是非他の記事も見ていただければと思います!
本記事の内容は、実際の制作・宅録環境での使用経験や、複数の機材・手法を比較した上での判断をもとにまとめています。環境や目的によって最適解は変わる為、あくまで一つの現実的な指針として参考にして下さい。